芝居を手にした黄兎の日々

芝居を再び手にした私が繰り広げる、やや外れた日々。
でも、きっと面白い日々に違いない。
<< May 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 劇作家大会2019 in 上田 参加レポート | main | 平田オリザさんワークショップ >>

【舞台】天守物語

シアターオリンピックス、「天守物語」を観てきました。
地元での開催でしたが、チケットの売れ行きが予想以上に
はやくて、どうしようかなぁ〜と思っていた内に
埋まってしまいました。(笑)

特に絶対に観たかったというわけでもないのと、あまり
古典作品を観るのが好きではないので、まぁ、観られたら
みればいいや、くらいでした。
あと、利賀演劇祭に集まってくる作品は芸術的な要素が
多い気がして、私はどちらかというと小劇場みたいな
作品が好きなので、そこまで好き、という感じではない
というのも大きいです。

そんな感じだったのですが、たまたまチケットがまだ
あるけど、観たい人いる?みたいな感じで劇団のメンバー
から話がまわってきたので、じゃあ行きます、という
感じで行ってきました。チケットが喉から手が出るほど
欲しかった人にしてみたら贅沢な状況ですみません。

いくつか作品を選べたのですが、日時的なものと、
海外作品よりは国内演出家の作品が観たかったので、
宮城聡さん演出の「天守物語」をチョイスしました。


「天守物語」
演出:宮城聡
2019年8月28日(水)19:00開演
at 黒部・前沢ガーデン
円形劇場上手中央やや後ろより観劇


天守物語(青空文庫より)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/3065_24401.html


宮城さんと言えば、静岡のSPACですよね。
もうこれ以外に想像するとしたらなんだろう、って
くらいなんじゃないかと思ってしまいます。
個人的には同じくらい「幕が上がる」に出てた!
っていうのがありますが(笑)

SPAC
https://spac.or.jp/

静岡の演劇祭とかでも観られて、一回は行ってみたいな
とは思っているのですが、なかなか...。
そんな中地元で観られるのはめっちゃ嬉しかったです。

というわけで、物凄い質量のものを観てきましたが、
メモ程度に感想などを書いておこうと思います。

この日はもう、雨が降る、という天気予報で、
会場の前沢ガーデンに着いた時も普通に雨がふって
いました。



もうびしょびしょで、少しでも雨がやまないかなぁと
最初は思っていましたが、途中からはもう諦めました。

傘をさしての観劇、むしろ劇場側に傘を持ち込むことも
NGということで、受付で傘の預かりなど、徹底していました。

開場時間前に、整理券番号順に整列し、そのまま2列で
劇場の方へ移動しました。
暗かったですが、スタッフさんがところどころでライトを
照らしてくれていたので、それを頼りに移動。
足元が悪いので、滑ったりに注意です。


「天守は雨を呼ぶ」とも言われているそうで、
天守物語を上演するときは雨になるのも多いのだとか。
作品の内容を知っていればそれもまた納得です。

円形劇場の方へそのまま2列で誘導され、前の方から
順番に詰めて着席します。
凄いのは、事前に
・座布団(薄いやつ、最後に回収される)
・雨合羽
・ひざ掛け用のビニール(お寿司を包むやつ)
・パンフレット
を配布されること。
予算あるんだなぁ、と思いました。(笑)

それでも、野外(雨)の観劇経験のある方が多いのか、
雨合羽等の装備を万全の態勢で用意してきて来られた
方がとても多かったです。利賀の演劇に慣れているなぁと
思いました。
(こういう層が富山のアマ演劇にも来てくれると
もっともっと富山の演劇が活性化されるのですが、
それはまた別の理由云々があるので、別の話...)

そして開演。


「天守物語」は、お城に住む天守夫人が、城を訪れた
若い武士と恋に落ちる物語。

姫路城の天守から、妖しい夫人が地上を高みの見物の
ように見下ろしている。地方(猪苗代)から亀姫が
遊びに来訪したりする。夫人が、地上での鷹狩の
最中に不思議な力で鷹を武士らから奪い取ると、
若い美男の鷹匠、図書之助が鷹を追って天守に上ってくる。
恋に落ちる夫人と図書之助。そして事態は思わぬ方向へ……。


平たく言うと、妖のようなもの(天守夫人)と、
人間の恋物語。ストーリーとしては単純で、
その雰囲気をどう作り出すか、というところで
作品のカラーが違ってくるのかなと思いました。

天守夫人が、鷹狩りに行った武士を困らせたいと思い
(鷹狩りをやめさせてやろう)、妖術を使える妖の
所へ行き、雨を降らせるお願いをしてくるというところ
から話は始まります。そんな夫人を訪ねて、一族のものが
手土産を持ってやってくる中、雨が降り出すわけです。

天守は雨を呼ぶ、といわれているのはこの下りがあるから
だろうと思います。
この日は、開演時から雨が降っていたので、そこはちょっと
惜しい!という感じだったのですが、深い雨の中、
この城の様子を見守っているというシチュエーションは、
私たちも彼女たち一族だったり、妖の類になったような
感じがして、とても妖艶でした。

演じ手と語り手(台詞を言う人)を分けている、
男性の役を女性が、女性の役を男性が語り手になっている、
というのは演出の大きな特徴だったと思います。
こういった男女逆転の演出は観たことがありますが、
作品世界にあっていたなと思いました。

女性の台詞を当てる俳優さんは熟年の方で、
男性の台詞を当てる女優さんは若手の人。
俳優さんの手練れ感がある声質や芝居が、人ならざるもの
感を増していましたし、女優さんの真っすぐな声質と
お芝居は、直線的な男性の雰囲気をとても良く現して
いたなと思いました。

稽古も沢山されたのだと思います。そのせいか、女優さんの
声が枯れ気味だったのは勿体ないなと思いました。
低い声を鍛えるのって難しいのは私自身も重々わかって
いるので、やはりプロの俳優さんでもこの低い声をモノに
するというのは難しいんだなと思いました。

動きだけでお芝居をされていた役者さんたちは、本当に
どの方も見事で、その動きだけで情報量がとても多かったです。
動きのお芝居が、これほどまでに情報量を増やすのか、
ととても思いました。動きと台詞を完全にシンクロさせて
いないのは、演出なのかラグなのかちょっとわからなかった
ですが、完全にシンクロする心地よさと、シンクロしない
面白さ、気味悪さっていうのもあるのかなと思いました。

野外だったので、照明は難しいことはできないんだろうな、
と思っていましたが、シンプルながら野外の雰囲気を
より浮き上がらせるような印象でした。
(本当につける、消す、くらいだったと思うのですが)
特に印象的だったのは、左右とかから当てている照明で、
空中に光の線がスッと入っているのですよね。
それが、天守にある窓のような感じに見えて面白かった
です。ちょうどその光の部分だけに、雨が降っているのが
見えるので、天守の中から見える外の景色というかイメージ、
逆に、そこを通してみると外から天守の中を覗いているような
そんなイメージがありました。それが野外っぽくてとても
好きでした。

雨でしたが、本当に妖がいるようなむせ返るような霧、
雰囲気で、これは雨だから味わえたものだなと思いました。
演者さんの動きも、速く見えるのにゆっくりだったり、
ゆっくりに見えるのに速かったり、技術の高さが光って
みえました。こうやってみると、本当にお芝居は動きから
生まれるんだなって思いました。

一緒に観に行ったお義母さんは、途中から雨が降って
いるのを忘れてみていた、と言っていて、これが
全てだなと思いました。
最後のカーテンコールで、演出の宮城さんが雨具を何も
持たずに、私服で出てきてお辞儀をされていたのをみて、
とても人柄が見えたような気がしました。
面白く魅せていただいて、ありがとうございました。

舞台・映画鑑賞 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

スポンサーサイト

- | permalink | - | - | pookmark |

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック


よく読まれてます☆ どうでもいいことから壮大なことまで答えてます。











 携帯からも!
qrcode
経済指標