芝居を手にした黄兎の日々

芝居を再び手にした私が繰り広げる、やや外れた日々。
でも、きっと面白い日々に違いない。
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【舞台】 Right Eye

はい、みなさん、今年の観劇始め、観劇1発目は
富山大学の劇団ふだいさんの公演です。
1月から観劇ができるなんて、本当に素晴らしいことです。
ちなみに今月末には下北沢での観劇予定も入っているので、
さい先がいい感じです。

というわけで、全国大学入試センター試験の両日、
劇団ふだいさんの公演ということで、これはここ
最近毎年この日程なんですかね。これが本当に、
個人的になんですが、勝ち組感があっていいですよね。
昨年の結果で大学生になった子が後輩の決戦日に
演劇をするなんて、めっちゃロックです。
ぜひこれはもう続けて毎年この日程で公演を
やっていただきたいなと思います。(笑)


2015年度冬季公演「Right Eye」
脚本:野田秀樹
平成28年1月16日(土)19:00
at フォルツァ総曲輪
下手中央寄りの席、後ろ側にて観劇

http://fudai.web.fc2.com/


野田ですね、野田。
いいですよね、野田。
やっぱり若い世代にも人気あるんだなぁ。
高校の制服を着た子も結構観に来ていたので、
あれだなぁ、やっぱり野田とかやったらいいかな〜。

生で観たことは無いですが、映像で野田作品は何本か
観ております。「半神」は本当に考えるな、感じろ、
という感じがしますね。野田地図番外公演ということ
もあり、「Right Eye」は90分くらいと野田さんにしては
短めな印象。あと割とわかりやすい気がします。


というわけで、いつも通りの感想を書かせて
いただきたいと思います。
「続きを読む」からよろしくお願いします。



ふだいさんの公演版を観てから、野田地図の方を
映像で観ました。多分、演出さんは野田本家の
舞台を、映像など何らかの形で観ているだろう、
と予想して感想を書いていきたいと思います。

舞台セット、カーテンが野田版を観ての
インスパイアだという感じがしたので、一応、
そういった前提で書いていきたいと思います。


■全体の感想

最初に全体の感想を。
いつもふだいさんの公演を観ると、もう、全力で、
私たちはこの全力を観に来ているんだなぁ、
これだから演劇でなければいけないし、ふだいさん
でなければ観られないものだなぁと思っています。
そういう意味で、ふだいのメンバーさんたちは
正しく演劇をしているんだと思わせてくれます。

そんな全力でやっているからこそ、今回は
台本と役者の間に、とても大きな差があるなぁと
感じました。台本が凄い。台本の力が凄い。
それに対して演出も役者も追い付いていない感。
それがはっきり目に見えた感じがしました。
難しいと思うけれど、それでも逃げずに全力で
正面から突っ込んだ彼らは本当に凄いと思いました。
そういうのを見ると、私らは何をやっているんだ、と
思わされます。

演出も役者も台本に対して足りていない。
けれども満足感がある舞台でした。いい舞台だと
思います、本当。

そして観ていると、こう、全然台本の読み込みも
足りていない、解釈も足りていない、身体の使い方も
ままならない、感情も1つしかない、
そんな感じで、何て人間はこうも何もかもままならない
ものなのだ、と感じました。本当はこう、人間は
ままならない。そのままならないということを
舞台を観ていて強く感じました。
だからもっと色んなことをやっていきたいし、
できないことに突っ込んでいきたい。
それはとても、きっと楽しいことで面白いのだろうと
気が付かせてもらいました。
あと野田秀樹はやっぱり凄い、ってことも。



■演出はインスパイアして取捨選択すればいい

きっと野田版を演出や役者やスタッフで観て勉強したん
だろうなぁ、と思ったのですが、それをうまく
自分たちの「できること」に置き換えて演出して
いっているなと思いました。
プロは凄い。でも、それ自分たちができるとは
限らない。

野田に限らず、キャラメルとか柿とか、本家版の
映像とか舞台を観て、演出をまねしたり、インスパイア
されることって、私はいいんじゃないかなと思います。
だって、その方がわかりやすかったり、伝わりやすかったり
するわけでしょう。プロが考え抜いて出した答え、
なのですから。だから、いいところ、自分が思いつかなかった
ことって、どんどん取り入れていけばいいと個人的には
思っています。
そして、できないところは自分たちができることに
置き換えていけばいい。

ふだい版のカーテンの使い方は自分たちがあのホールで
できるものを、と思って考えていたのだと思うし、
現地語を「カタコト語」→「なめらかな言い方」に
通訳していたのも面白いなと思いました。
ここは違和感がなかったので、上手いなと思いました。

逆に、ここは本家を真似した方がお客さんに伝わり
やすかったな、というところもあったので、そこを
ひねくれずに使って欲しかったなと思いました。
具体的にどこかは忘れてしまいましたが・・・。

舞台セットや演出を真似ても、役者が違えば、結果、
全然本家とは違うものになる、と思います。
大学生の時に、本家をコピーしようというコンセプトで
「フローズン・ビーチ」をトリプルキャストで
やったことがあるのですが、結果、3チームとも
全然違うものになったし、本家とも違うものになった、
というのがありました。映像を観て、役者の感情を
真似しても、結局、その役者が演じている経験や
感情や感受性によって、全然違うものが生まれる、
ということなのだろうと思います。
だから、お客さんにとってわかりやすくなる、
伝わりやすくなるというものはどんどん使っていけば
いいと思うのです。そこが伝わりやすい分、そのほかの
ところをお客さんはちゃんと観てくれると思います。

だから、逆に真似してやって、真似した演出以上の
ものが出てこなかったら、それはつまらないと思います。
その役者がやった意味が生まれなかったら、それは
まったく面白くありません。
それならば、本家を観に行けばいいのです。
だって、そっちの方で充分なのですから。


■台本を読み込む

今回は台本が難しかった、と思います。
演出も役者も、あぁ、これは読み込めていないし、
理解してやってないんだろうなー・・・と思いました。
いやー・・・これは難しいだろうなぁ。

なぜジムで、目が見えなくなったのか。
それは、リズム体操で「激しい動きをしたから」では
ないでしょうか?リズム体操をしたからではありません。
「激しく動く」という部分が大事です。

ふだい版のあの動きで、右目がカシャッとなるでしょうか?
一生懸命ダンスの振り付けをして覚えました、という
動きでは右目はあんな風にはならないでしょう。
本質が大事なのだと思います。
ダンスが重要ではなかった。
「激しい動き」であればよかったんじゃないかなーと
私は思います。だから、振り付けがめちゃくちゃでも、
野田役の人は激しく動かなければならなかった、
と思います。

・・・難しいですね。

野田さんの芝居に限らず、そういうものが台本の
中にはたくさんあるんじゃないかと思います。

なぜ、ここで、この台詞を言うのか。
こう動かなければならないのはなぜか。

そういうものを台詞やト書きの中から拾っていく。

(病院に入院している眠れない)自由さんが
台詞を言う。印象的な台詞があるのはなぜか。
最後に、それが先生版の自由さんと病気版の
自由さんが同じだということをわからせるため。
だから、その台詞はお客さんに必ず
「伝わらなければならない」ので、噛まない、
印象的にする、ゆっくり言う、などなど、という
演出が生まれる。

全ては台本の中に書かれている。
それをどう表現してお客さんに伝わるようにするか、
想像力をプラスして演出する。
そこに想像力が必要になる。
役者も、感情を想像して、現実のものとする。

言葉に書くのは簡単ですが、実際にやるのは
難しいです。私もこれからこういうことを
やっていかなければならないと思うと、本当に
逃げ出したくなります。あぁ、怖いなぁ。


今は演出のことについて書きましたが、役者も
同じです。台本から感情を読み取って、
ちょっとの想像力をプラスして現実の感情にする。

長いセリフも短いセリフも、台本には出てきます。
その一つ一つ、長くても短くても感情があります。
長いセリフの時は、一文の中にいくつもの感情が
あります。

それをひとつひとつ、分解して、台詞と台詞を
突き合わせて、感情を探っていきます。
これが大味だと、ぜーーーーーーーーーーんぶが
同じに聞こえます。
ずーーっと同じに見える、というのは、
この感情の探り方が大味だからです。

台詞を一つ挙げて、その感情がなぜその感情で
あるか説明できますか?
どの台詞があったから、この台詞が出た、と
言えますか?自分の吐く台詞、全部についてです。
台本を読み込んでいれば全部について説明が
できるはずです。
後は本物の感情でしゃべるだけです。

なんか同じに見えるなぁとか、台詞が覚えづらいなぁ
っていうときは、大抵その台詞の感情が説明できない
からです。一言ひとこと、全部、感情は違うはずです。



■役者さんには頑張って欲しい

ふだいの役者さんは、誰かがめちゃくちゃ下手、
という感じではなく、みんなが同じくらいの力を
持っている感じがするので、とてもバランスがいいと
思います。力の同じくらいの人が舞台に立つと、
やっぱり観ている方は観やすくていいです。

とりあえず役者さんそれぞれについて書いて
置きたいと思いますが、多分演出さんのせいだなー
っていうことも沢山あるので、そこはあまり気にしないで
自分がいいと思ったことだけ頭に入れればいいと
思います。極端な話、自分に都合の悪いことは無視しても
いいと思います。結構酷いこと書く時があるので。

両キャストさんを観られなかったのが本当に残念です。
T.N.Chaosくん観たかったなー。


【野田】
イケメンですね。・・・クソッ!!
すいません、取り乱しました。
演劇初心者で一年生とは言え、スタンダードな演技が
できる感じなので、演出する側としては使いやすくて
とてもいい役者さんだと思います。
「ふつう」っぽく見える役者さんは大事です。
演じている本人は、プロデューサー(オカマっぽい)
みたいな役がやりたいのかもしれませんが
(今回の中では一番やりやすそうで、ノリがよかった)
主役みたいなキャラも頑張ってやってほしいです。

まだ難しいかもしれないですが、力が入りっぱなしの
台詞ばかりなので、「抜き」の芝居ができるように
なると、もっと色んな役ができるようになるんじゃ
ないかなと思います。
(これは今回観た役者さん全員に言えます。)

あと、野田さんになる必要はないと思いますが、
野田さんをもうちょっとよく知ったら、もうちょっと
演技が楽になったかなぁと思います。
これは演出でもあるのですが、現実って、リアルって
そんなに深刻じゃないと思うのです。
そんなにいちいち全部のセリフが深刻じゃない。
深刻なことが起きている方が、実は言葉を出した時に
わりと淡々とであったり、あっけらかんであったり
すると思うのです。
だから、もっと野田役の時は自然な感じでも
(そんなに怒ったような、いらいらしたような
全体的な印象じゃなくても)よかったと思います。
ひょうひょうとした感じがあってもよかったかなと
思います。


【吹越】
平居君はふだいさんで観るのが3回目です。
もう3年生か・・・。平居君は上手いと思っているので、
今回は台本が難しかったんだろうなという感じが
したのだけれど、自分なりに読み取ろうとした演じ方に
挑戦していたのでやっぱり力があるなと思いました。
(一緒に行った旦那の方は平居君お気に入りです。)

身体の使い方がいまいちつかみ切れていない感じが
して勿体なく感じました。背が高いから、ほかの人と
身体の使い方が違うので大変だなと思うのだけれど、
それは誰にも無い個性で武器で特技なので、
「きちんとたつ」「まっすぐにたつ」ということを
キャラクターとして使って欲しいなと思いました。
カメラマンを3役で大変だったけれど、カンボジアに
憧れたカメラマンは、まっすぐ立つ、ちょっと真面目な
カメラマン、というまとめ方でも良かったかなと
思いました。立って、止まる。
きちんと止まるという演技、そして演出をしないと、
作品全体が煩くなるし、わかりにくくなります。

動いていないと役者としては不安だ、というのは
どうしてもあるのだけれど、「動かない演技」を
身につけるといいと思います。うまい役者さんは
きちんと動かない演技ができます。

森の中や川の中を両腕で進む、というシーンは、
舞台上にある椅子やベットをもっとうまく
利用してできればよかったなと思います。
これは演出だと思うけれど。舞台セットをなかなか
生かせなかったというのがちょっと勿体ないかな。

3人の中では一番力を入れる、抜く、という芝居に
気を遣おうとしている役者さんだと思うので、
(無意識だったらセンスだね)それを身につけつつ、
身体の使い方、動きと感情をリンクさせるという
芝居ができるようになったら、ぐーんと伸びると
思います。


【自由】
チラシをお受け取りいただきまして、誠に
ありがとうございました。(平伏せ)

こういう役の時に、こんな感じのキャラクターで
演じる方が結構多いと思います。私もこういう
感じの作り方を別の役だけどしてたし、どっちかというと
得意な方かもしれません。
なので、これからは自分だからこそできる
役作り、っていうのを探していったら
面白いんじゃないかと思います。

個人的には、医者の時は、もうちょっと柔らかい
感じが入っていた方がいいかなと思いました。
(これは演出に対してでもありますが)
そうすると、本当に野田に対して最後キレた時、
今よりももっと怖い印象になったと思います。
そんでもって、病気の自由の時も、その柔らかい
感じとふわっとした感じをもうちょっと入れる。
そうすると、最後の人物リンクの時に、お客さんが
はっとなる。今は台本の力ではっとなっている
印象が強いので、そこに役者が演じた意味を
いれると、とても役者として魅力があるように
思えると思います。
今の感じの病気自由の作り方、私はとても好きです。
結構意識して演じているようで難しかったかも
しれませんが、いい雰囲気だったので良かったです。


■演技が単調だと見せたいものが見えにくくなる

感情がずっと同じだと、観る方も疲れてきてしまって、
本当にみせたいものに辿り着く前に、観てもらえない
ということになりがちです。
頭に入ってきそうで入ってこない・・・。
作り手の一所懸命さは伝わってきたけど、それ以上の
ものが頭に入ってこない。

今回も結果的に浮かび上がってきた部分が弱い気が
して(それは私の頭の中に入ってこなかったの
だろう)、もし何かこれを伝えたいと思ったものが
あったとしたら、どこだったのかなぁと思って
しまいました。
個人的には別にこれを伝えたいとかそういうものは
なくてもいいんじゃないかと思うけど、
観た結果、お客さんがどんな気持ちになったらいいか、
というのはあった方がいいんじゃないかなと
思いました。
「俺たちの懸命な姿を観てほしい」だったら
それは十分伝わっていると思うし、
「本当の目とは、正しい目とは、、、」
「自由や正義やヒューマニズム」
といった、芝居としての何かを伝えたかったとしたら、
それは十分伝わっていないんじゃないかなと
思いました。

私もまだまだ不勉強なところが多いですが、
とりあえず観た感想でした。
私も舞台を作るときは気を付けよう。
でも怯まずに、自分がやりたいと思ったことを
やらねばなと思いました。

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この記事に対するコメント

劇団ふだい1年の山本と申します。ご来場頂き、ありがとうございました!

こうして演出や演技についてたくさんのコメントをして頂き、本当にありがたいです。役者や演出は、何度も繰り返し練習をするからかどこか内向きになってしまう性質があると思います。見に来てくださった方の客観的な目があってこその演劇。今回私はスタッフでの参加でしたが、こうしたコメントを次に活かせるような活動をしていきたいと思います。

そしてなにより、ふだいの「全力」が伝わったというのは最高の褒め言葉です。私もふだいメンバーの1人ですが、この「全力」が大好きです。私の大好きなふだいの「全力」。これを伝えられたということが嬉しく、幸せです!!

今後の公演でも、この「全力」を貫き、さらに演技面は成長を見せられるようメンバーと一緒に頑張ります。また、私たちの「全力」を見にいらしてくださいね。

本当にありがとうございました!
ひめ | 2016/01/17 11:26 PM
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